IPO労務監査の内容について

皆さんこんにちは、IPO労務支援サポーターの立部です。
今回は「IPO労務監査ではどのような項目を調査されますか」という
質問にお答え致します。

IPO労務監査の内容

証券取引所の審査基準やガイドラインでは、労務について具体的な個別項目の詳細までは
明確に示しておりません。さらに、労務監査は法定監査(法律で義務づけられている監査)
ではなく任意監査に該当することから、実施する監査機関や社労士法人等によって監査項目が
若干異なることもあります。

ただ、多くの監査機関や社労士法人等が実施する労務監査の場合、以下の項目について会社の
労務管理状況の確認が行われます。
※確認とは、法令遵守状況や書面の作成および管理状況、行政への届出、

 行政からの指導、労使間でのトラブルの有無等などです。

●役員・従業員の状況
●有期雇用労働者(定年再雇用者を含む)、同一労働同一賃金
●外国籍労働者
●派遣労働者
●業務委託契約、請負契約
●採用、内定、入社
●労使関係(解雇、懲戒、休職、ハラスメント等)
●行政からの指導状況
●36協定
●就業規則、労使協定
●勤怠管理
●変形労働時間制、裁量労働時間制
●賃金の支払状況
●管理監督者
●固定残業制度
●休日・休暇
●賃金制度、人事制度
●ダイバーシティ
●安全衛生
●労災の発生状況
●労働保険・雇用保険・社会保険

(注)それぞれの項目の詳細については、項目ごとに後日ブログにて解説致します。
また、上記論点の中の4大論点(勤怠管理、36協定、賃金の支払、管理監督者)については
以下の過去のブログをご参照下さい。

過去ブログ:IPO労務管理で重要な4大論点とは

このようにIPO労務監査では、労働・社会保険諸法令の様々な論点について、
網羅的に実施し、企業の労務管理の状況について確認を行います。

IPO労務監査の活用

労務監査を受けると、自社の労務管理の状況が項目ごとに明確になります。
それと同時にどのような点に問題があるかの詳細まで理解できるようになります。

このように労務監査の実施によってによって自社の問題点を細かく理解し、その問題点に対し
改善を行うことがIPO達成のためには
一番の近道となります。

例として、勤怠管理に問題があるとなったときに、問題点と改善策の一例を以下の通り記載します。

●勤怠の記録方法に問題 → 勤怠システムの導入の検討
●勤怠の打刻状況に問題 → 打刻漏れの解消や打刻のタイミングの改善
●勤怠記録の単位に問題 → 1分単位打刻や労働時間の切り捨てに対応
●勤怠の承認方法に問題 → 上長や人事部門のチェックや承認フローの見直し
●サービス残業防止措置に問題 → PCログや入退室ログなどの導入の検討
●休憩に問題 → 休憩が取得できる仕組み作り

このように、労務監査の結果に一喜一憂するのではなく、自社の労務管理の問題点と改善すべき内容を
しっかり理解し、その改善に向けて取り組むことがIPO達成のためには一番重要となります。

まとめ

労務監査の項目は多岐にわたります。そしてそれは自社の労務管理の状況をあらゆる角度から
確認できるものとなります。そして労務監査で浮き彫りとなった問題点の改善を行うことが
IPOの労務改善においては一番の近道あり、一番重要となります。よって労務監査の結果を
しっかり理解し、改善に向けたツールとして活用していきましょう。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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